赤いリンゴのように可愛らしい病気ではない『りんご病』の感染力とは

「リンゴ病」という病気があります。

名前だけ聞くと可愛らしい病気ですが、皆さんはどんな病気かをご存知でしょうか。
確かに数日で自然に治る病気ではありますが、かかる人によっては危険を伴う病気でもあります。
リンゴ病とはどんな病気で、どんな診断方法や治療法があるのか?
またどんな症状が現れて、どんな経過を辿るのか?
詳しく知っておくことで、万が一この病気にかかってしまった時に適切な判断ができると思います。

リンゴのように頬が紅くなっていく

リンゴ病とは通称で、正式名は伝染性紅斑(でんせいせいこうはん)と言います。
頬がリンゴのように紅くなることからこのような通称がつきました。
頬が紅くなるのは子供の場合がほとんどで、成人の場合は頬意外の発疹が主になります。
頬に続いて腕、お腹、太腿、お尻などにノコギリ歯状の紅斑が現れてきます。
その他には全身の倦怠感や関節の炎症症状などがありますし、発疹が一旦消えてまた出てくることもあります。
病気の原因はパルボウイルス科エリスロウイルス属のB19ウイルスが感染することです。
赤血球の膜の表面にあるP抗原というところを受容体とし、赤芽球前駆細胞(せきがきゅうぜんくさいぼう)に感染して増殖していきます。

リンゴ病の症状の経過について

現れる症状は前述の通りで、通常は数日で自然治癒していきます。
実は発疹が現れる頃というのは、感染力がすでにほとんどなくなっているのです。
発疹が現れる一週間前くらいが一番感染力の高い時期です。
なので集団感染の可能性は低く、学校、幼稚園や保育園では行ってはいけない病気には指定されていません。
ただ子供は免疫がまだ不完全なため、まれに幼稚園などで集団感染ということも実際にあります。

目視での診断は難しいリンゴ病

子供の場合は典型的な臨床症状、つまり頬がリンゴのように紅くなるという症状からすぐに診断が可能です。
片方ではなく、必ず両側の頬に蝶型の紅斑が現れます。
なので特別な検査をするまでもなく、目視だけである程度の診断が可能となります。
ただ、普段から頬が赤めの子供だと母親でも気づきにくいので、そんな時は紅斑の形状をしっかりと確認するようにしましょう。
さて、子供に対して成人の場合では、あれだけ特徴的な頬の紅斑が現れないことがほとんどで目視での診断は難しく、風疹との区別も困難です。

なので成人の場合はウイルス学的な検査が必要になってきます。
血清中のDNA(ウイルス遺伝子)をPCR法というもので検出する方法が一つ。
もう一つは回復期と急性期に採血をして、lgG抗体の陽転もしくは上昇を確認するか、急性期の特異的なlgM抗体を検出する方法があります。
さて、治療法ですが、対症療法のみになります。
前述しましたが、症状が現れた時には感染力がなくなっているため、感染予防というのは困難になります。
ワクチンはありませんが、免疫不全や慢性貧血のある方には発症した時にγグロブリン製剤というものが投与されることもあります。

妊婦さんならすぐに病院へ

妊婦が感染すると胎児に三割程度の確率で感染するので、胎児の経過観察が必須になります。
また妊婦の場合は、胎児の死亡、流産、早産、胎児水腫など危険な症状が出ることがあるので注意が必要です。

少し専門的な話もありましたが、リンゴ病がどんな病気か分かっていただけたでしょうか?
ほとんどの場合は命に関わるほどの大病ではありませんが、何事も万が一ということがあります。
病気に気付いたら、小児科、内科、産婦人科などを速やかに受診し、医師とよく相談しましょう!